中山間農業を再生(中山間地域等直接支払い制度の創設)

2009年05月18日

旧薩摩町をモデルに検証
 ヨーロッパ諸国では、1970年代から条件不利地域への支援等として、個々の農業者への直接支払いが行われていました。

 しかし日本では規模拡大、生産性向上が政策の主流で、中山間・離島等の条件不利地域に対しては、補助率の嵩上げ、要件の緩和、資金の長期・低利率での融資などの形で実施されて来ました。

 しかしながら、新たな農業基本法を含む農政全般の改革を進める過程で「河川上流に位置する中山間地域等の多面的機能によって下流域の国民の生命・財産が守られていることを認識し、こうした公益的な諸価値を守る観点から公的支援等を講じることが必要」とする「食料・農業・農村基本法」案が出されました。
(公益的機能を金額ベースで算定すると洪水防止機能3兆5000億円をはじめ総計8兆2000億円と言われています。)

 当時農林水産政務次官であった私は原案の段階から関係しており、特に中山間地域直接支払いに当たっての要件・事業内容・構成員・支払い単価・事業チェック確認の手順等詳細にわたる検証を旧薩摩町をモデルに実施しました。

先進国ヨーロッパの事例を視察
 本制度は、平成12年度に正式に発足しましたが、本制度を提唱した一人として更に踏み込むため元農林水産大臣の故松岡利勝議員と2人で自費でイギリス、フランス・スイス・オーストリアの中山間地域を視察しました。これら諸国の中山間地域政策は農業を中心とした多面的機能を守ることのみならず、陸地続きの隣国との間の国境警備機能もかつて果たしていたと聞き、なるほどと合点した次第です。

2期目の見直しも担当
 1期5年を経過し、平成17年に見直しがあった。私は党の農業基本政策委員長としてこの見直しを積極的にリードしました。見直した点は下記2点です。

長期的視点に立って10~15年後の集落の将来を明確にしこれを実現するため協定締結期間(5年間)で達成する目標を定める。
生産性向上、集落営農化など将来に向けた積極的な取り組み促すため集落の活動レベルに応じた単価の設定や新たな加算措置の導入。
 農林水産省は、平成22年度には、3期目の新たな展開を期すため、現在見直し作業を進め今年夏までに結論を出す、としています。発足当初の原点をしっかり見据え、改善に向け意見を表明して行きます。


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Posted by 野間たけし official webnews at 17:10│Comments(0)松下忠洋の政策と実績
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